イタリア第2の都市、ミラノ。
マルペンサ空港(Aeroporto di Milano-Malpensa)やリナーテ空港(Aeroporto di Milano-Linate)があるので、他国から飛行機でイタリアに入った場合など、この町から、イタリアの旅が始まることが多い。
ミラノへ行く観光客が必ずと言ってよいほど訪れるのがドゥオーモ(Duomo di Milano)だろう。空に突き刺さるような尖塔の、その数の多さがとても印象的な聖堂だ。
ドゥオーモを仰ぎ見ながら、ふと思う。
もしこれをゴジラが踏んでしまったら、きっと痛がるに違いない。
私はゴジラではないが、子供のころ、プラスチックの玩具を踏んでしまい、痛い思いをした記憶がある。
あの小さなプラスチックでも痛かったのだ、密度高くシュンシュン尖塔が伸びるこのドゥオーモを踏むということは、人間が剣山を踏んでしまうようなものだ。
是非、気を付けてほしい。
芸術作品のようなアーケード
ドゥオーモ広場の北側に、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア(Galleria Vittorio Emanuele II)がある。
天井がガラス張りになった、とても美しいアーケードだ。
アーケードと言っても日本の商店街のように、1本道が長く続いているわけではない。
南北およそ200m。東西およそ100m。俯瞰で見ると十字の形をしており、装飾は豪華で天井が高い。アーケード全体が一つの芸術作品のようなのだ。
床はモザイクで装飾されている。
ところどころに 上の写真のような絵が描かれており、中に牡牛を描いたものがある。
その股間の上に靴底をこすりつけ、クルクル回ると幸せが訪れるという。
伝説の信憑性はともかく、クルクル回る人は確かに多い。皆、順番を待っている。
かわいそうに牡牛の股間は、もはや潰れてしまっている。穴ボコがあいているのだ。
外は雨、雨の中で人は、クルクル回ったり、その順番を待ったりなどしない。
アーケードが雨を遮ってくれているからこそ人に余裕が生まれ、伝説が生まれたのだろう。
日本でもミラノでも、やはりアーケードは、雨降り時にはありがたい。