ヴェネツィア(Venezia)から東北東へおよそ90㎞。そのまま真っ直ぐ もうチョイ進んでしまえば隣国スロヴェニア(SLOVENIJA)に入ってしまいそうな辺りに、アクイレイアの町がある。
だだっ広~い田園地帯にある、長閑で小さな集落だが、町ができた紀元前2世紀頃は 付近まで海が迫っていて、交易や軍事上の重要な拠点として大変繁栄したらしい。
重要な拠点などと呼ばれる町は、歴史上たくさん登場し、その多くは宿命的に幾度もの戦いに塗れた過去を持つ。
どんな歴史を辿ったかと言うと・・・これがなかなか一言では難しい。
現在、この町は「アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ」として世界遺産登録されており、遺跡や聖堂をはじめ、町や歴史についても多くの記述が見られる。
そのため、町やその歴史について情報は得やすいが、興味のある人以外は、おそらく複雑過ぎて頭に入ってこない。。。
ということで、例によって難しいことはさておき、訪ねた際の雰囲気などをフワッとお伝えする。
見どころは、町の中心「アクイレイア大聖堂(Basilica di Aquileia/Basilica di Santa Maria Assunta)」。
建物自体も美しいが、圧巻は床一面に描かれた古いモザイク画だ。(写真を参照ください。)4世紀ごろに造られたという。
イタリアには、シチリア州(Sicilia)のピアッツァ・アルメリーナ(Piazza Armerina)や、エミリア=ロマーニャ州(Emilia-Romagna)のラヴェンナ(Ravenna)など、モザイク画で超有名な町があるが、ここアクイレイアのモザイク画も かなり見ごたえがある。
前述の2つの町と比べ それほど有名ではないものの、「モザイク好き」な方々にとって、十分に楽しめるだろう。
また、大聖堂周辺は公園のように美しく整備されており、若者たちがピクニックをしていたり、おじさんが昼寝をしていたりと、訪れた人々がゆったりと過ごしている。
心地良い雰囲気の中、同じようにゆっくり過ごすにも、芝生に寝っ転がることに抵抗があるなら、近くにカフェがあるので利用しよう。
テラス席に陣取り、アドリア海から流れてくる爽やかな風を感じながら、この地(フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州)の美味しいワインを楽むことができれば、言うことなしだ。