ボローニャは ちょっとごみごみしたところもある都会なのだが、散策はしやすい。
もちろん、だからといって、完全に気を抜いた ゆるゆる状態で歩いてはいけない。
前回記事にも書いたが、特に 大きめの町を散策する際は、景色を楽しみながらも、スリや置き引きなどに 気を付けて行動することが大切だ。
散策がしやすい理由は、これはイタリアの多くの町で言えることだが、街の中心部への車両侵入が規制されていることによる。
道に車がいないだけで、つまり交通事故の不安が解消されただけで、人はこれほど自由闊達になるのか、と思うくらいである。
裏を返せば それだけ、普段 人は車に対し気を張った状態でいるということ。
日本でも、銀座などで歩行者天国が施行されると、街の様子が一変する。
どう変わるかは、すぐに理解いただけると思うが、もしかしたら「街の様子」というより、「人々の様子」が変わると言ってもいいのかもしれない。
極端に言えば、そこにいる人たちの「心の持ちよう」が変わるのだろう。
安心感というか、開放感というか・・・。顔つきまで変わるような気もする。
「歩行者『天国』」とは、よく言ったものである。
犬の自由度も高い
そんな歩行者天国では、犬を散歩させている人たちに数多く出会う。
車が来ない安心感もあるのか、結構自由に、そして長時間、はしゃがせている。
散歩の途中に他の犬と出会い、犬同士がじゃれ合ってしまうことがあるが、
「やめなさい。ほら、行くよ!」とすぐにリードを引っ張り、散歩に戻るのが一般的セオリーと思っていた。
しかし ここでは、犬同士の相性が良いと見るや、ずーっと遊ばせておく飼い主さんたちをよく見る。
「ずーっと」と書いたが、本当にずーっと。
お互いのリードが絡まって、何度も何度も相手の飼い主さんとの間で上を通したり下を通したり・・・。
犬たちはそんな主(あるじ)の苦労は露とも知らず、ワッサワッサと必死にじゃれ合っている。
その愛らしい様子を、通行人が立ち止まって眺めていたり、飼い主さんと話し込んだり、別の犬が乱入したり。
見学者を含め、その場に漂う空気の「微笑ましい度」がどんどん高くなってゆく。
中に入ってみてわかる その建物の大きさ
インディペンデンツア通り(Via dell’Indipendenza)で、私と一緒に犬のじゃれ合う姿を見ていた老夫婦が、しばらくして 近くの教会らしき建物に入っていくのが見えた。
こんなところに教会があるのか・・・。私も訪ねてみる。
中に入って驚いた。中は 想像していたより、はるかに広大なのだ。
広場のすぐ横に建つ教会など、グッと引いて 全体像を眺めることができる建物は、外からその大きさや凄さなどを感じとることができる。
それに対し、道沿いにある建物の場合、特にボローニャのような古い街などでは、周りにもたくさんの建物が密集し、道も細く 入り組んでいたりして、建物全体の姿を外から把握することができない。
そのため、入ってみて その大きさに 驚くことがある。
地図を確認してみれば、その広大さがはっきりする。
サン・ピエトロ大聖堂(Cattedrale Metropolitana di San Pietro)―― インディペンデンツア通りに面したその建物は、周辺の建物の区画より ずいぶんと大きい。
外と比べ、中は 落ち着いた雰囲気で 静かだし、
しばらく ここで 寛ぐとするか。。。