地方制度改革による地域圏合併
ラ・ロシェルがある地域圏の名称は、ヌーヴェル=アキテーヌという。
しかし、以前、ラ・ロシェルはポワトゥー=シャラント地域圏(Poitou-Charentes)に属する町との認識だった。
そのポワトゥー=シャラント地域圏は、今は無い。
というのも、以前 フランスで施行された「地方制度改革」のひとつにより地域圏の合併が行われ、
コルス(Corse)を含めたフランス本土の地域圏数が22から13になったからだ。
かつて分かれていた、アキテーヌ、リムーザン、ポワトゥー=シャラントの各地域圏が2016年1月1日をもって合併し、それによって出来た大きな地域圏が ヌーヴェル=アキテーヌだ。
合併といえば、日本でも2005-6年ころに、平成の大合併というのがあった。
我が故郷もそれにより名称が変わったことで、私の記憶に新しい。
ただ、日本の場合は市町村の合併だったのに対し、フランスは地域圏の合併である。合併する主体の規模が異なる。
フランスと同等の規模の合併を、無理やり日本に当てはてみると、例えば、九州と四国を合併し、「十三国州」という大きな権限を持った一つの自治体を作るようなものだろう。
なかなかの合併だったのだ。
錨は 沈めておくもの
怒りも 静めておくもの
屋根付きの歩道が散策にありがたい
さて、ラ・ロシェルの町だが、「とても暮らしやすそうな町」といった印象だ。
有名な町ではあるが、それほど大都会ではない。かといって、「何もない」と言われてしまうほど田舎でもない。
こじんまりした旧市街には ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)など デパートもあるし、商店もたくさんあって、買い物に困ることはない。
マルシェには活気があり、港は賑わっていて、観光客も多い。
そして嬉しいのは、旧市街の道の両側の歩道部分が「屋根付き」(アーケード)になっている通りが多いこと。
日本の商店街でよく目にする、道全体を覆う屋根があるのではない。
道の両脇の建物の2階部分が、路上にせり出すように建てられており、その下が歩道になっているのだ。(イタリアや南仏の街でよく見られる いわゆる「ポルティコ」ですね。)
雨の日は濡れずに買い物ができるし、暑い日は直射日光を浴びずに散策できる。
住人にも、観光客にも、とてもありがたい建築スタイルである。