私もいつか
他人(ひと)も 自分も 楽しませることができる人に
なりたいなぁ
どの町にも大道芸人さんがいる。
いや、どの町にも、というのは言い過ぎか。彼らは人に見てもらうことが大切なのだから、ある程度 観衆を集められそうなところで仕事をする。
逆に言えば、大道芸人がいる町というのは、それなりに賑わっているということだろう。
興味しんしんの子供たち
旧港の近くに、銅像芸(?)をしている芸人さんがいた。
全身を銀色に塗りたくり、名のある軍人さんの真似をしているのか、指揮棒のようなものを持って、微動だにしない。
遠足で訪れた子供たちが互いに突っつきあいながら、様子をうかがっている。
「ナニあれ?」「どうなってるの?」「なんで動かないの?」
引率の先生がどう説明しているかはわからないが、子供たちはとっても不思議そう。
「ほら。見ていてごらん。今、マダムがお金を入れるわよ」先生が言う。
地面に置かれた帽子に 女性がコインを投げ込むと、銅像はロボット仕掛けのように動き出し、愛嬌たっぷりに敬礼する。
「わー動いた、動いた! おもしろーい!」
子供たちは大騒ぎである。
「わたしも やってみたい!」
「じゃ、やってごらん。ほらコインを持って行って」先生が促す。
―― 女の子が コインを持って大道芸人さんの元へ・・・
・・・あ、やってみたかったのって、、、そっち なのね。